9/3(土)名古屋で開催された第22回日弁連弁護士業務改革シンポジウム第9分科会のテーマ「こうすりゃよかった!事務職員活用の変化」について、ZOOM参加しました。
これまで、この業革シンポにて事務職員との協働をテーマに分科会が開催されてきましたが、このテーマに関わり実施してきた200通あまりのアンケート結果や、広報分野における新たな事務職員の活用方法を展開している事務所へのインタビューの動画等を通じ、IT化がすすむなかでの法律事務職員のあり方や活躍方法について議論がなされました。
たしかに、今後e裁判もはじまり、IT化による事務職員の業務は大きく変化が見込まれますが、従来より指摘されているクライエントに対する「傾聴」をはじめ、必要とされる仕事の見直しなど、積極的・能動的な仕事の領域はかえって増えるだろうという見通しの話や事件処理におけるアフターケアなど、周辺業務の取り込みが大切になってくるとの前向きな話が出されました。
そして、現在活用されているチャットワークをはじめとするツールの紹介や、経営に対する方針や理念、指針、また、それぞれの明確なビジョンの共有など、職場におけるコミュニケーションの大切さをあらためて認識する機会となりました。
事務職員の活用問題における非弁の問題や、事務職員の活用やパートナーとしての協働としてしかるべく労働条件の整備等はそれぞれの職場に任されている状況において、統一的な基準を設けることなど、難しい課題はありますが、IT化によって職場環境が大きく変わろうとしているなかでこそ、多くの仲間と一緒に情報共有しながら、前向きな変化をつくりだしていくことの期待を感じさせるものでした。
「IT化によって事務員は不要か?」といった投げかけもあり、効率化はすすむが、コンサルティングやサポートなど、やれることは増えてくる、まさにサービス業としての仕事の展望が様々語られ、そうした変化を前向きにとらえていくことで、法律事務職員としてよりよいリーガルサービスをつくっていくことにつながるとの経験が豊かに紹介されました。
困難な時代の中で変化をしていくことの勇気や困難はもちろんありますし、その環境整備や可能性がそれぞれの職場で整っているかどうか、そして、全体の底上げをどのように労働組合として求めていくか、難しい課題はありますが、新たな展開をすすめている経験に学び、それをヒントに事務職員の地位向上につなげていく取り組みをすすめていきたいと思えるシンポジウムでした。
あわせて、事務職員の積極的な協働をすすめている職場の弁護士さんやその期待に応えて奮闘する事務職員の方々の努力に学ばされます。毎回、こうした分科会にも多くの事務職員のサポートがありますし、労働組合として実施している全法労協の毎年のアンケート活動の中身も少なからず紹介をされています。
そうした取り組みが、少しずつ事務職員活躍に向けた確かな道筋をつくっていることを感じられたシンポジウムでした。
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