今年も寄せられた2021年要求アンケート、最終的に県内104通集まりました。具体的かつ切実な声を寄せていただく方も多くあり、組合活動の原動力ともなっています。
そして、今年も全国の法律関連労働組合の仲間とともに、日弁連をはじめとする各士業(司法書士、税理士、弁理士、公証役場、執行官室の管理となる最高裁)の団体と、社会保険加入や職場の労働法令遵守等の問題で厚生労働省への要請行動を実施しました(6/21実施,一部後日、公証人連合会はコロナ禍を理由に拒否)。
また、旭川の公証役場での「セクハラ訴訟(不適切な行為があったことを一部認める地裁判決があったものの、双方控訴し、現在高裁で係争中)」の早期解決と再発防止の要請で、法務省との交渉も実施しました。コロナ禍の状況も踏まえ、基本的に少人数、短時間での実施でしたが、アンケートの声にもとづき、各団体において労働者雇用における労働法令遵守、ハラスメント対策、コロナ感染症対策等について具体的な声を紹介しながら、改善を求めました。
社会保険加入の強制適用化(2022年10月から法改正実施)について、厚生労働省からの法改正についての周知が士業の各団体へすすめられているようですが、残されている5人未満の小規模職場における加入促進の課題や、ハラスメント対策など、いかに職場環境整備の周知を図るかという点で、一般的な要請だけでは限界がありますが、リアルな声と実態を伝え、対策を求める地道な取り組みが、今回の士業を社会保険の強制適用にする法改正へと結実しています。
また、セクハラ訴訟をとりまく判決の厳しい流れや現状のハラスメント規制の不十分さはあるものの、今回、実名を公表してたたかう旭川公証役場で働いていた高橋さんも要請に参加され、法務省に対し、やむにやまれぬ思いから、訴訟に至り、法律家としてのモラルを求めてたたかう姿を目の当たりにし、励まされる思いでした。
その他、日弁連においては雇用の手引きや事務職員研修等、改善されている側面はあるものの、未だ残る前近代的な職場実態の声にいかにこたえるか、業種全体の底上げに向けたお願いはさることながら、今後のIT化への対応を含めた事務職員としての積極的な協力関係の構築が求められているところです【事務職員研修も「eラーニング」によって受講の幅がひろがっています。日弁連HPにある事務職員向けページにある申込書に記入の上(雇用主弁護士の自筆サインが必要)、申込みをすれば、すぐアドレスが入手でき、その後は「You Tube」でライブラリー化された研修が無料で受講できます。】
一方、毎年アンケートへ記入しているが、まったく変わらない、もっと雇用主にこうした声が届くようにしてほしいという願いもあります。確かに個々の職場の問題は、それぞれが声を上げ、変えていくしかない現状はあります。しかし、各団体によって対応は異なりますが、地道な要請の積み重ねや切実さを増すアンケートの声を反映してその構成員へ要請書が周知される、また、研修や会議の集まりの折に私たちの要請内容が紹介される、さらに、ハラスメント対策としての相談窓口設置等の動きにつながっています。
昨今、コロナ禍における働く環境の悪化やハラスメントに関する被害が増加している背景のなか、小規模職場、また、女性が多いこの法律関連業種の職場において、問題が表面化しにくい、また声をあげにくいという現状はありますが、こうした具体的な行動に参加するなかで、地道な取り組みによって着実な変化があることを実感します。個々の職場における不満に対しても声をあげていくことが、この業種の民主化・近代化につながっていきます。法律関連職場で働く労働者の安定は、その職場が社会的な信頼を得ていく上で、欠かせない要素ですので、労働条件はそれぞれにお任せでいいはずがなく、まさに業種全体、社会全体の問題ということがいえます。
声を集め、その改善を求めて継続的に各団体や行政に対して働きかけをしていくのは容易ではありませんが、引き続き、少しでも前向きに職場環境を求めて具体的な行動につながっていけるよう、労働組合としての役割を自覚させられる要請行動でした。
引き続き、みなさんの声もお寄せ下さい。
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